阪堺電車、卒寿の古豪。-2017年2月・天王寺遊行-

【1】
イメージ 1


【1】
四天王寺にて。
石鳥居に掲げられた扁額の文字が、淡い西日を受けて輝いていた……。
多分、ここへ訪れたのは、小学生の時に両親に連れられて以来だと思う。

母親が亡くなって半年余り経過していたが、
あまり浄土真宗ではいうことのない「菩提を弔う」という言葉の意味を、
寺へ行くたびに考えていた頃である……。
この日は平野の融通念仏宗本山・大念仏寺へ参詣した後、四天王寺へたどり着いたのだった。






あれから2年の歳月が流れた。
一昨年の2月、四天王寺に参詣した。
多分、小学生の頃に両親と訪れて以来だと思う。
古い仏像が好きだった小学生の私は、
鉄筋コンクリートで再建された飛鳥時代の伽藍に、すごく興ざめしたのを覚えている。
既に奈良の法隆寺を見ていたから、子供なりに重厚な古刹の素晴らしさを理解していたからだろう。

かつて四天王寺のすぐ西側は、大阪湾が広がっていた。
その海岸に面して建っていたのが、この石鳥居である。
現存する日本最古級の鳥居で、国重要文化財に指定されている。

鎌倉時代初期、西大寺の忍性が勧進となって石造で再建されたと伝える。
鳥居に掲げられた篇額には、
「釈迦如来 転法輪処 当極楽土 東門中心」と記されている。
四天王寺側から見ると、この鳥居は真西の方角に面して建っていて、
まさに西方極楽浄土の方角を向いている。
冬空の雲間から覗いた西日に照らされて、金色に輝く文字がとても印象的だった。

鳥居の傍らには、見真堂という小堂があった。
これは我が宗祖親鸞を顕彰する御堂で、「見真」とは親鸞の大師号である。
若き日の親鸞は、聖徳太子が建立したという四天王寺へ、足繁く参詣したと伝えられる。
あるいは、やはり聖徳太子ゆかりの法隆寺へも留学したという。
親鸞の聖徳太子を思慕する姿勢は、他の鎌倉仏教の祖師方とは比べものにならないくらいだ。
恐らくは親鸞もこの鳥居の下にたたずみつつ、大阪湾に沈む夕日を眺めたに違いない。
親鸞的大阪ベイブルース………(笑)。






【2】
イメージ 2

【3】
イメージ 3


【2】
あびこ道駅に停車中の、旧塗装に復元されたモ164。
四天王寺へ参詣した後、恵美須町から阪堺電車に乗って、住吉大社まで行った。
初めて住吉大社を参詣した後、
住吉電停で電車を待っていたら天王寺方面からこの電車がやって来た。
年甲斐もなく、隣の住吉鳥居前までこの電車を追い掛けて乗り込んだ。

【3】
古豪の肖像、阪堺電車モ166。
ハローキティのラッピングも御愛嬌といいたいところだが、
やはり昔ながらのカラーリングの方が良いものだ。
とは言いつつも、私はこの面構えをほれぼれと眺めたのだった………。






卒寿の老電車が、今も現役で走り続けているなんて奇跡である。
大阪の天王寺駅前および、通天閣のお膝元・恵美須町から堺の浜寺駅前を結ぶ阪堺電気軌道には、
昭和3年製の古豪モ161型が4両健在で、新しい電車たちに混ざって元気に走り続けている。

四天王寺まで足を延ばしたついでとばかり、
恵美須町からあびこ道までこの電車に乗ることができた。
懐かしい釣りかけモーターの轟音、ゆさゆさ横揺れ、
いきなり轟く空気溜めポンプの音、
どれもが20年以上聞いてなかった旧き良き昭和の電車のサウンドである。
いつまでも長寿で走り続けていてほしい、オールドタイマーである………。







【4】
イメージ 4

【5】
イメージ 5


【4】【5】
ハローキティのモ166で、天王寺駅前を目指す……。
車内は木造で走り出すと、モーター音も凄まじい上によく揺れる。
しかしそれが、たまらなく楽しいものである。
こんな、骨董品のような電車に、それも実際に走っているのに乗ったのは、
四半世紀ぶり以上のことかも知れない。

それにしても、多分クーラーなど搭載されていないと思うのだが、
夏場は休んでいるのかも知れない……。

以上、2017年2月7日撮影。







記憶の断片を書き留めおく……。

































関連記事

コメント

よかもん人生

No title
卒寿まで、残り12年・・・果たしてです❕❔

ぴあの♪

No title
阪堺電車の佇まい、懐かしさ満載です。
座席が木製ボックス型だなんて、四天王寺の石鳥居同様重文級ですね。
乗り鉄を満喫された笑顔のお姿を想像しました(^-^)

Rev.Ren'oh

No title
> よかもん人生さん

しばらくであります…。返信が遅くなり、失礼致しました(汗)。いつまでもつつがなく、論陣を張って頂きたいものです!。

Rev.Ren'oh

No title
> ぴあの♪さん

返信が遅くなり、失礼致しました(汗)。今や動く文化財ともいうべき存在です(^_^)。小説にもなりました(笑)。多分、夏はクーラーが付いてなさそうなんで、今のシーズンに定期運用に入ってるんだと思います♪♪

nazuna

No title
ええでしょう。藤山寛美さんが渋谷天外はんが、愛された166です。
非公開コメント

プロフィール

namoamidabutsu18

ようこその御来遊、有難うございます。
令和元年8月31日、Yahoo!ブログより移転しました。
……………………………………………………

京都、宗教、今時のこと。そして、好きな酒について…。
心に移りゆく「よしなしごと」を書こうと思う。
あと、しばし撮り溜めた隣国・近江の琵琶湖の写真など…。
要は気ままに更新して参ります。
自身への癒やしはここへ来られる方々のためにも…と思いつつ。

浄土真宗に籍を置く僧侶。
そして自称、第一線(何をそういうのか解らないけど・笑)から遠のいている遁世僧。
宗門からは一応、「布教使」という資格を受けている。
一時期、精力的に出講すれども…今は「遁世」の身(笑)。

生まれも育ちも京都市。
口が達者と言われるけれど、全くそんなんじゃない、口べた。
ただまあ、いろいろ世の中の物事について考えている方だから、
理屈っぽいとは思うけど・苦笑。

僧侶の傍ら、今は京都市内の某マスコミ関係に勤めながら、「二足の草鞋」で生きている。(※2007年5月に退職)
そんな生活に一抹の自己矛盾を感じながら生きているけど、そこが人間のペーソスだと思っている。
仏の慈悲心とは何ぞや?!と、毎日頭のどこかで考えている。

僧侶だが、宗派の慣習で髪の毛あり。
得度式の時は剃髪した。
頭がマジックテープ状態になって、枕にへばりつき、寝にくかった記憶あり。
随分昔の懐かしい思い出。
私服だと僧侶とは判別しにくい。

そんな私は、自分の技量のほどはともかくとして、
ずっと師僧に師事して古儀の聲明(しょうみょう・仏教声楽)を学んでいる。
仏教儀礼というのは一度簡略化してしまうと、元の姿に復元するのは困難だとされている。
そこで師僧のライフワークでもある、簡略化される以前の、本来に戻す作業をお手伝いしつつ、
仏事本来の意味を考究したいと思ってやまない。

そんな私ではありますが、ふと足を止めて何か感じて下さったら、是非足跡残して下さいませ…。
一期一会を有難うございます。m(_ _)m

【気ままな遁世僧 Ren'oh】より    

(2005年拙ブログ開設当時の紹介文です)

最新情報

カテゴリー

月別アーカイブ